私のお産 6

ベッドに横たわり、陣痛を乗り越えるにも、眠気が強くなり、痛みが無い時間にふっと眠りに落ちる感じが 40分位 続いていた。  パパも doula も寝ないで私についていてくれるのに、うとうとしたら悪いかな、などと余計な心配しながらも、つい眠ってしまう、  ドリフのコントで  「あれ? 今寝てた?」 っていう 居眠りのコントがあったけれど、 まさに そんな心境。

7時を過ぎたあたりから、陣痛に強弱が出てきて、すごく痛いものと 今までと同じ程度のものとが ランダムにやってきていた。  出産の体験談を 母や身内の女性、友人などから聞くのが、昔から好きだった私は、皆がよく言っていた、  「分娩台に上がるまでは息んではダメだっていわれるのが すっごく辛かった」  という感想が印象にのこっていて、  産む直前までは 息んではダメなんだな、というイメージが強かった。

ところが、強めの陣痛が来たときに、息まずにはいられなかった。   ダメといわれようが、自然に勝手に、力が入ってしまう、そんな波だった。   その場にいた ナースもdoulaも 、だれも 何も言わなかったので、  「I’m pushing,I’m pushing!! I’m PUSHING!!!!!!!」  と叫ぶ形で 自己申告。   現時点で 息んでしまうことが 赤ちゃんに良くなかったら困ると思って 必死。

さけんだものの、 それでも 誰も何も言わないので、  波が引いた後で  「今のは すごかった」  と報告したら doulaは おっとりと 「そうね、分かっていたわよ、」 と冷静。

プッシュしちゃった事が ダメだったのかどうか、定かではないが、あの波を 息まずにやり過ごすことは、きっと練習を重ねたとしても できない気がする。

8時近くなったころ、もやしっ子君が あっからさまに 疲れましたよ、僕は みたいなため息交じりで 「夜勤が終わったら 別の医者にバトンタッチしますね。』と言ってきたが  その数分後 最後の内診で 子宮口全開 と判明。  もやしっ子君が ナースに ’’ C’est complete。” と耳打ちしたので 自分にも全開だとわかった。   でも あんな風に、良くないことをこっそり伝えるかのように 耳打ちしなくっても良さそうなものだが。。。

バタバタと ナースが出産の支度を始め、 陣痛の合間に 下半身の周りに 防水シートを敷かれたり、カンガルーケアに備えて 上半身も病衣のみになるように下着を外した。

颯爽と やってきたこれまた はじめまして になる女医さんは 50歳位くらいのベテランといったかんじ。  さ~~あ 今から がんばってちょうだいよ~~~!! と朝一からさっそくお産をとるというのに 慣れたもの。  もやしっ子と比べて、断然頼りがいがあって こちらも 気が引き締まる。(なんか ちょっと怖い 体育の先生みたいなテンション)

次の陣痛から おもいっきり 息んでね~~!!  という指示に従い、力いっぱい息む。   このとき べっどは 背もたれが65度くらいの角度、足は開脚で固定されるものかと思っていたが、固定されず、自分の快適な角度でのM字開脚状態。    私は自分の太ももの付け根を両手で押さえながら 思いっきり 息んだ。

陣痛がひくと、  今のpushはイミがあったのか? と思うくらいお腹の変化は無。  ドクターが 『手の位置がそこだと力が分散されちゃって良くないから 次からは右ひざを両手で抱えて自分のほうへ 引き寄せるようにして。』  と指示を出したので あまり乗り気ではない姿勢だったものの、そのようにしてみた。

陣痛の間隔は この時点でも 2分はあったので、Pushの合間にやや 静寂が。

陣痛中に、ナースが 何を調べているのか知らないが お腹を つんつんとあちこち 探るようにつつくのが たまらなく 苦痛だった。  「それ、やめてくんない??」 と きつい口調で言いたかったくらい。

3回ほど Push  ガ続くと、だいぶ 赤ちゃんの頭が出てきて、見え隠れしている状態になっていった。  プッシュしている間だけは 頭が見えてるみたいな。

この調子なら 8時35分にはうまれるわよ、  いい数字と思わない??  頑張って!!   と ドクターの声援にも、パパの手にも力がこもる。