無くした リュックの行方 (1)
先週は水曜日の出来事。
友人が初めての個展を横浜 元町の画廊で行うと聞き、最終日に駆け込むようにでかけた。 もう 生活費だって底をつきそうな勢いだし、そんな遠出をする余裕などないけれど、作家としての活動をがんばってきた努力が実を結んだ晴れの機会!! ナケナシのお金を引き出して(マジで残高140円)、格安といっても駅で買うより700円安いだけの新幹線のチケットを買って 息子と2人、元町へ。
新幹線の乗車に息子もワクワク!! 新横浜からの乗り換えも スムーズにできて、やった!!着いた~!! とよろこんだのもつかの間。。。
石川町の改札を抜けたら、息子がそれまで手にしていたバスの模型をかばんにしまえというので、リュックを下ろそうとしたら、
無い!!!!!!!!!!
桜木町で乗り換える時に、網棚の上に置いておいたリュックをそのまま忘れてきてしまった。
唖然。 どきどきして若干震える。
ほんっとうに 何もかもを失う。 しかも 横浜元町まで来て。。。。。
手元にあったのは バスの模型と、新横浜のホームで買ったペットボトルのお茶1本、友人へのお土産に地元の駅で買ってきた 安倍川もち だけ。
網棚に荷物を載せたとき、
「これを忘れて降りちゃったら最悪。」
などと 心の中で考えていたのに!!!!!
財布も携帯もオムツもお弁当も。。。。。帰りの切符も自宅の鍵でさえ すべてが忘れたリュックの中!!!
即刻 改札の駅員さんに事情を説明して調べてもらったけれど、 乗っていた電車の番号とJRの忘れ物問い合わせの用紙をもらえたけれど、すぐにはリュックは見つからず。。。。。
この調子だと いつどこで見つかるか、見つかって誰かが届けてくれるかも分からない という状態に。 なす術が無い。。。。。。。
思い切って ナケナシのお金を手に 出かけたら このざまよ。。。。。。。。。
あれ~~、私 悪いことしたかな?
もう 余計なことまで考え出しては パニックで、とリ急ぎ知人の居る画廊へ向かう。
電話の問い合わせだって、携帯も小銭すら無いのだから 何も自分では出来ない。言いようの無い不安と孤独と自責の念でいっぱいになりながら、久しぶりの友との再会。
いきなり 大変な状況だと知らせて、久しぶりの再会なのに、しかも そこまで親しい間柄ってわけでもないっていうのに、
「だから、申し訳ないのだけれど、帰りの交通費を借りなくちゃならないかも、もし夕方までに荷物が戻らなければ。。。。もちろん 必ず借りるお金は送金してお返しするよ、絶対に!」
というお願いをしなっくてはならず、、、、
こんな時代だから 詐欺かよ?って思われそうで、すごく警戒しちゃう、借りる私のほうが。
画廊の方が 親切に、駅から連絡をもらえるように、ここの電話番号を知らせておいたら? と言ってくれたので、そうしに改札まで戻った後、再度 画廊へ戻る道中、信号待ちで隣に居た女性が息子のことを 「かわいい!! いくつ??」と聞いてきた。 よくある 立ち話を交わし、横断を終えたら、
「私も カナダ人の旦那がいるの。」
と言うので、ついつい 長話。
ついでに 今トラぶっている、荷物を無くしてしまった事情を話すと(自分がピンチになりすぎると、不幸自慢ではないが、なぜか聞いてほしくなる。。。助けを請うのが目的ではなくって、ただ、聞いて欲しい。え~~~!!!???大変!!! と驚いてもらえるだけでふしぎと気持ちが安らぐのである。)、びっくりされる。
「お昼だってまだでしょ??」
「お弁当もリュックの中で。。。」
みたいな会話が続き、帰りのチケットもリュックだから、夕方までに見つかればいいけど、、、、などと話していたら、
「家に泊まってく? 今夜?」
などと言う。 こんなやさしいoffer,今まで受けたことないっす。
直感で 悪い人ではないと感じたけれど、今日見つからない荷物が 明日戻る可能性も無いし、知人にお金を借りて自宅までたどり着くことのほうが良いと思って、そう伝える。見ず知らずの方に、迷惑ばかりかけるわけにもゆかない。
彼女の実家が地元と近かったし、旦那さんがカナダの方という人との出会いも今まで無かったから、 実家に帰省されるときにでも、機会があればまた会いたいと伝えると、名刺を渡してくれて、
「ごはん、今から食べに行こう!!」
と半ば強引に提案される。 もう手ぶらの私は誘いに乗るってことは、おごってもらうしかないわけで、、、、ありがたいんだけど、悪いなという気持ちでいっぱいだった。 なんか、いいのかな、甘えてしまって、、、という不安。
でも彼女はとにかく 息子がお腹をすかせているだろうと心配してくれて、何か力になってあげたいと とても親身になってくれていた。