へそのお

昭和50年代、日本人家庭に生まれ、日本で育った私は 産まれた時のへそのおを 桐箱に保管してあるものを母に見せてもらったことがある。

 

小学生くらいの頃か?

学校の宿題か何かで、「自分が生まれた時のことを 家族に聞いてみよう」 といったようなテーマで自分のルーツを探すというのをやった覚えが。

 

当時はへそのおが残されていることに特別な嬉しさがあった。なぜへその緒を残すのか? そんなことを疑問に思っていたのかどうか、記憶にないが。。。 なんとなく、そーゆーもの、 として当たり前の感じで受け止めていたのかな?

 

あるとき、へその緒は、女の子の場合、お嫁に行くときに母親からプレゼントしてもらい、そして母親が亡くなった時に 棺桶に入れる という話をテレビか何かで聞いた時は、少し感動したけれど、本当のところ、どうして日本ではへその緒を大切に保管しておくんだろうか??

 

息子を産んだ時、「カナダではへその緒なんか保管しないんだそうけど、やっぱり私としては自分が親にしてもらったように、へその緒をとっておいてあげたいな。」

と思っていた。

 

しかし、生まれたての息子のおへそには、プラスチック製のクリップみたいなものでへその緒が止血されていて、そもそものへその緒の残りがとっても短かった。

で、1週間と経たない間に、そのクリップがぽろりとはずれ、

「残せるかんじかな?」

と、そっとクリップが挟んでいたへその緒を外してみると、全然形に残っていない。

 

なんていうか、鼻血が出た後の鼻くそ?? みたいな  小さなかけらしか残っていなかった。

 

残念!! 

 

でも、へその緒が残ってなくても、私たちは紛れもない親子である。いいよね。

 

と、諦めて、代わりにへその緒を挟んでいたクリップと、入院中に私と息子が付けていたブレスレットの名札を記念に残すことに。

 

へそのお の風習、もっと由来とか調べておきたいな。