残念なこと   バスの席の譲り合い

とある 日曜日、バスに乗って動物園へ出かけたときのこと。

動物園まであと5分くらいのバス停から、混みあったバスに乗り込んできた親子連れがいた。  パパが生後2ヶ月から3ヶ月くらいの赤ちゃんを抱っこ、ママが3歳になるかならないかくらいの小さな男の子の手を引きながら、たたんであるベビーカーを持ち、文字通り両手がふさがっている状態だった。

バスは 日曜日ということもあって、満席で、多くの人が立ったままだったし 乗り込んだ親子はバスの入り口で身動きがとれず、眠っている赤ちゃんを横抱きしているパパは、手すりもつかめずに、おっとっとっと~と、よろよろしながら必死であった。表情は穏やかではあったから、気持ちには余裕がありそうではあったけれど。。。

私は 彼らが乗り込んできたとき、すぐに、

『あ、これは大変!  席を譲ってあげなくては!!』

と、息子に急いで靴を履かせて、自分たちの席を譲ろうと試みた。  なのに、ちくしょ~~!! 魔の2歳児!!!である。  かわいい赤ちゃんに どうぞしよう って息子に声をかけたらば

「 ん~no!!」

である。。。。。。。。。

見てごらん、小さな小さな赤ちゃんが 大変。  Big boyなんだから、小さいbabyに、お席どうぞってしようよ!

と説得するも両腕を 胸の前で組んで 『No!!』 の一点張り。

ここで無理強いして、泣きわめかせては 譲られたほうだって気が悪いだろうし、けっこう揺れるバスで自分たちが怪我をしても、それこそ迷惑をかけてしまう。

あ~~~~もどかしい!!!!と思いながら、席をゆずることは断念したけれど、道中ずっと

「こういうときには、Big boyなんだから、ちゃんと自分より小さな赤ちゃんに優しくしてあげなくっちゃ。  優しいのって大事ね。」

という説教を 英語で語りかけた。  こういうときは、英語がありがたい。嫌味を言いたいわけではない、(できれば 分かっては欲しいけれどね、思いやりの精神を)でも息子にはきちんと 伝えたい。

まだまだ 日本人は 席を譲る といった行為に対して とってもShyだと感じる。

Shyなんだか 見てみぬふり、速いモン勝ち の精神なんだかってところもあるけれど。

世界の皆が 震災時の秩序ある日本人のマナーを賞賛してくれたくらい、マナーは誇らしいものがあるけれど、

残念!!!!!!!

と 本当に思う。心底思う。

『 あ、 どうぞ。』   

と一言、スマートに出来なくたって、善意を断られたって 恥ずかしいなどと思う必要は 1ミクロンさえ無い!!!!!!!!!

譲られたほうは、

『ご親切に、ありがとうございます。』

と、感謝を伝えたら良い。  そして 自分が助けてあげられる時には、他の誰かを助けてあげたらいい。 That’s kind of you.Thank you. Don’t mention it. である。

カナダでは こういった場面では 100%に近いレベルで当たり前に 席の譲り合いがなされていたことが 驚きだったけれど、どうしたら そうできるようになるのだろうかと、逆に疑問である。

何が何でも 日本人に席を譲る精神を持たせたい!! と躍起になるわけではないけれど、 この手の ぜんぜん恥ずかしいことではないのに 恥ずかしがる国民性が 歯がゆいというか、むずむずして仕方ない。

これだから嫌なんだよ、日本人は  と 自分もバリバリの日本人のくせして 毒を吐いている私である。

席を譲ること、ゴミをきちんと分別して捨てること、男が甘いお菓子やパフェを注文して食べること、ひとりで歩いていて転びそうになること、   これらは ちっとも恥ずかしいことではありませんから!!!!!

変なこと 気にしすぎないでいきましょう!!!